スタジオブログ / マタニティヨガ — ポーズのその先へ|第1回
変化する身体を知る
妊娠中に起こる身体の変化やさまざまな不調について、Tammyインストラクターが自身の経験を交えながら、マタニティヨガの視点からご紹介します。
妊娠は素晴らしい経験ですが、同時に身体には思いがけない変化が起こり、さまざまな疑問や不安が生まれることもあります。
私自身、2人の子どもを持つ母親として、またマタニティヨガの講師として、妊娠中の経験やヨガを通じて学んできたことを皆さんと共有できればと思っています。
今回はまず、妊娠によって変化していく私たちの身体についてお話しします。
01Q. マタニティヨガは、通常のヨガクラスと何が違うのでしょうか?
妊娠中、私たちの身体には身体的にも精神的にも、さまざまな変化が起こります。
赤ちゃんが成長するにつれて身体の重心が変わり、腹筋が伸び、骨盤周辺の筋肉や関節も大きくなるお腹に合わせて少しずつ変化していきます。
マタニティヨガは、こうした妊娠中の身体の変化を考慮して行うヨガです。
単に通常のヨガのポーズを妊婦さん向けにアレンジするだけではなく、妊娠中も筋力や身体の動かしやすさを保ち、快適に過ごせるような動きを大切にしています。
そして同じくらい大切なのが、少し立ち止まって、自分の身体の変化に意識を向け、自分自身のための時間を持つことです。
02Q. 妊娠中は、なぜ身体のあちこちに痛みや不調が起こるのでしょうか?
妊娠中の身体は本当に大きく変化します。これまで気にならなかった場所に痛みや違和感が出てくるのも、不思議なことではありません。
その理由のひとつが、ホルモンの変化です。
例えば、リラキシンというホルモンは、妊娠や出産に向けて身体が適応する過程に関わっています。こうしたホルモンの変化に加え、姿勢や体重のかかり方が変わることで、腰の下部にある仙腸関節や、骨盤の前側にある恥骨結合の周辺に痛みや違和感が生じることがあります。
また、子宮が大きくなるにつれて、子宮を支える円靭帯が引き伸ばされ、下腹部や鼠径部(脚の付け根)に引っ張られるような痛みを感じることもあります。
そのほかにも、腰痛や股関節・お尻まわりの張り、脚に広がる坐骨神経痛のような不快感を経験する方もいます。
私自身、2回の妊娠で、それぞれまったく違う痛みや不調を経験しました。
息子を妊娠していたときは恥骨まわりにかなり強い痛みがありましたが、娘を妊娠していたときには、その痛みはまったくありませんでした。
同じ人であっても、妊娠の経過や身体の変化は毎回違うのだと実感した経験でした。
マタニティヨガでは、穏やかな動きや、一人ひとりの身体に合わせて選んだポーズを通じて、筋力や可動性、安定性を保ちながら、こうした不調を和らげるサポートができます。
妊娠中によく見られる身体の不調と、マタニティヨガを通じた対処方法については、今後のシリーズでも詳しくご紹介していきたいと思います。
03Q. マタニティヨガは、具体的にどのように役立つのでしょうか?
私のマタニティヨガクラスでは、変化していく身体に合わせてアーサナ(ヨガのポーズ)を選び、必要に応じて調整しながら、筋力と安定性を保つことを大切にしています。
例えば、骨盤まわりに痛みがある場合、大きく脚を開いて深くストレッチするよりも、小さくコントロールされた動きや、身体を支えながら行うポーズの方が心地よく感じられることがあります。
また、ヨガブロックやボルスター、ブランケットなどのプロップス(補助道具)も積極的に活用し、無理なく快適にポーズを取れるようにしています。
ここで、いつも生徒さんに覚えておいてほしいことがあります。
ある妊婦さんにとって心地よいポーズが、別の妊婦さんにとっても心地よいとは限りません。そして、先週は気持ちよくできたポーズが、今日はまったく違って感じられることもあります。
マタニティヨガは、無理をして頑張ったり、完璧なポーズを目指したりするものではありません。
呼吸やアーサナを通じて心と身体に意識を向け、妊娠によって変化していく自分の身体が、今何を必要としているのかに気づく力を育てていくことが大切です。
そして、その感覚はヨガマットの上だけにとどまりません。
自分の身体の声に耳を傾け、慣れない感覚の中でも呼吸を続け、落ち着きを保つことは、出産のときにも役立つことがあります。
04Q. ヨガの経験がなくても参加できますか?
もちろんです!
ヨガが初めての方も、長年練習を続けている方も、マタニティヨガで大切なのは、その日の自分の身体に合わせて練習することです。
私のクラスでは、妊娠のさまざまな段階にある方をお迎えし、それぞれの身体の変化に合わせてポーズを調整しています。
ただし、妊娠に伴う合併症がある場合や、運動について心配なことがある場合は、参加前にかかりつけの医師や助産師に相談してください。
私自身、最初の妊娠では妊娠初期のつわりがとてもひどく、ヨガどころか身体を動かすことさえ難しい時期がありました。
それでも、つわりが落ち着いてから再びマットに戻ることで、少しずつ体力や心身の調子を取り戻していくことができました。
これも、私がマタニティヨガを好きな理由のひとつです。
強くなるために、いつも頑張り続ける必要はありません。
ときには、自分の身体の声に耳を傾け、無理なく丁寧に動くことこそが、今の自分に必要なことなのだと思います。
妊娠は特別な経験であり、その間も私たちの身体は絶えず変化しています。
マタニティヨガを通じて、そうした身体の変化を支えるだけでなく、自分自身の身体により深く意識を向け、何が必要なのかを感じ取り、いたわることを学んでいきます。
そして、ときには筋肉を使うことだけでなく、力を抜くことを学ぶのも大切なのです。
ご注意:妊娠の経過や身体の状態は一人ひとり異なります。マタニティヨガは妊娠中によく見られる不調を和らげる助けになることがありますが、医療行為の代わりになるものではありません。痛みが続く場合や強い痛みがある場合は、かかりつけの医師や助産師にご相談ください。
次回予告 · 第2回
筋力をつけること、力を抜くこと
マタニティヨガは、ストレッチをするだけではないことをご存じですか? 次回は、筋力や身体の安定性を保つことが、意識的に緊張を緩めることと同じくらい大切である理由、そして骨盤底筋群への意識を高めることが、出産の準備にどのように役立つのかをご紹介します。